ジョージ・ネルソン

ジョージ・ネルソン

ジョージ・ネルソンは、単なるデザイナーというだけでなく、商品を扱う会社(ハーマン・ミラー社)の経営に参画し、彼の生きた時代に”デザインの時代”を築き上げたという意味でも、まぎれもなく”デザインの世界”において、もっとも重要な人物の一人だと思う。したがって、ここに取り上げている製品群は、ジョージ・ネルソンの業績を語る上でほんの一部を語っているに過ぎないことは、今日のハーマン.ミラー社の社会的認知度を見れば明らかだ。


ジョージ・ネルソンのマシュマロ ソファ

“デザイン”を企業規模で考えた場合、ジョージ・ネルソンはお手本のような存在なのだろう。

ジョージ・ネルソン略歴

ジョージ・ネルソン(George Nelson/1908年〜1986年)

チャールズ&レイ・イームズと共に、アメリカのモダンデザインの創始者の1人。50年代にデザインしたネルソン・クロックなど...バリエーション展開手法が勉強になる?

ジョージ・ネルソンは、1908年にコネティカット州ハートフォードで生まれ、1986年にニューヨークで亡くなっています。

ジョージ・ネルソンは建築をエール大学で勉強し、1928年に卒業しています。1931年には美術の学位も授与されています。1年後、パリ賞コンテストの準備をしている時に、エリオット・ノイスチャールズ・イームズウォルター・B・フォードらと共にローマ賞を獲得します。

ジョージ・ネルソンは、あまりに少ない建築の仕事から、プロダクトデザイングラフィックデザインインテリアデザインといった方面に転向した最初の世代となります。

ジョージ・ネルソンは、ローマに拠点を置いて、ヨーロッパを旅行し、その時代の先駆的な建築家にも会っていました。数年後、米国に帰国し、著述に専念し、 “Pencil Points” で、ワルター・グロピウスミース・ファン・デル・ローエル・コルビュジェジオ・ポンティといった人たちを紹介します。

雑誌”Architectural Forum”では、最初のアソシエート・エディターとなり(1935-1943)、後に、コンサルタント・エディターとなります(1944-1949)。ジョージ・ネルソンは現代主義原則に従い、当時のプロダクトデザインを批評し、そのことでジョージ・ネルソン自身がプロダクトデザインで活躍する場を得ることになりました。

1940年までに、ジョージ・ネルソンはいくつかの革新的な概念を発表し、注目されていました。彼の戦後の本「Tomorrow’s House」の中ではファミリールームに関するコンセプトを紹介しています。その中の革新的なコンセプトの一つ「収納壁(storagewall)」がハーマン・ミラー社の社長であるD.J. De Preeの注意を引きました。

1945年、D.J. De Preeは、ジョージ・ネルソンにハーマンミラーのデザインディレクターを依頼します。これが、その後のチャールズ&レイ・イームズ、ハリー・ベルトイアリチャード・シュルツドナルド・クノールイサム・ノグチらと共に進む成功への第一歩となったのです。(後に、ベルトイアとノグチは批判することになりますが)ジョージ・ネルソンは会社のすべての活動において新しい標準をデザインに関してに設定しました。そして、そうする際に、彼は企業イメージ管理、グラフィック・プログラムとサインもつくりあげました。

ジョージ・ネルソンによる、ハーマンミラー社のためのカタログデザインと展示計画は、会社で最も重要な推進力となりました。40代の中頃から80代の中頃にかけてのジョージ・ネルソンのオフィスでの活動は、最も充実した時間となりました。ある時期、エットーレ・ソットサスも、ジョージ・ネルソンのオフィスで働いています。ジョージ・ネルソンは、疑いもなく20世紀アメリカで、最も明確にそして雄弁にデザインや建築について語った人物の一人でした。

ジョージ・ネルソンは教師であり、”the legendary Aspen gatherings’のような会議を組織し、本を出版しています。

ジョージ・ネルソンの最も有名なデザインは、”マシュマロソファー”、”ココナッツ・チェア”、”カテナリー・グループ(the Catenary group)”、”ネルソン・クロック”などですが、他にも多くの優れたデザインを残し、デザインのマイルストーンになっています。


ウォールナット ドレッサー/チェスト
(Walnut DRESSER /Chest)

1950年代に、ハーマンミラー社のためにデザインしたウォールユニット

50年代にデザインした
ネルソン・クロックなど…
バリエーション展開手法が
勉強になる?

マシュマロ ソファ<1956年>オリジナルは、わずか186脚のみ生産。アンディ・ウォーホルにも影響を与えたといわれている。既製のバースツール用の円盤状クッションを使用することでコストダウンを試みたが、クッションをフレームに取り付ける際の溶接作業に時間がかかり、高価なソファに。発売後わずかな期間で製造中止となったが、復刻された。
マシュマロ ソファ ミニチュア ヴィトラのコレクションを1/6のミニチュアにしたもの。上のミニチュアです。
ココナッツ チェア 1枚のレザーで出来たユニークなフォルムは、その名の通りココナッツの割れ殻からインスパイアされたもの。
ココナッツチェア ミニチュア やはり、ヴィトラのコレクションを1/6のミニチュアにしたもの。上のミニチュアです。
ネルソン デイベッド 1948年の作品「Nelson Daybed(ネルソンデイベッド)」の復刻版。週末を過ごすロングアイランドの自邸のためにデザイン。
Swag Leg Group Armchair <1958年>美しいスチール製の脚(Swag Leg = ぶらりと垂れ下がる脚)を持つ幻のアームチェアの復刻。チャールズ&レイ・イームズから、イームズシェルチェアに採用したプラスチック成型技術の特許を使用する許可を得てデザインされた。1958年当時はFRPが使用されていたが、現在は環境に配慮しポリプロピレンで製造されている。
Swag Leg Group Desk<1958年>スワッグレッググループは、美しい彫刻のような脚を持った家具をデザインしたい、というジョージ・ネルソンの思いから生まれた。 1968年に製造中止となったが2007年に復刻。
Swag Leg Group Dining Table<1958年>スワッグ・レッグ・シリーズ。写真は長方形の物だが、円形のものもある。1964年に製造中止となったが2007年に復刻
プラットフォームベンチ <1948年>使う人のイマジネーションでベンチとしても、台としても、あるいはテーブルとしても使えるモデル。
End Table<1954年>アルミ製のテーパード・レッグを持つ小テーブル。写真は白色だが、他の色も。
Miniature Chests 6ドロワー/ペデスタルベース付 <1952年>1951年にジョージ・ネルソンが初めて東京に旅行した直後にデザイン。日本の引き出しタンスからインスピレーションを受けている。当時はローズウッドを使用していたが、現在は環境に配慮し、ローズウッドステインのチーク材を使用。
トレー テーブル 高さ調整が可能な一本脚のサイドテーブルは、アイリーン・グレイの「アジャスターテーブルE1027(1927)」へのオマージュ。プライウッドの天板でデザインした作品。高さ調整ができる。
トライポッドクロック <1947年>Howard Miller社より発表されたネルソンの時計の中でも初期の物。クラシックな輝きを放つ真鍮製のボディと、どこかコミカルな三本脚が特徴。
ナイトクロック <1948年>意表をつく半球形のガラス面フォルムが特徴的。1947年にデザインされた「トライポッドクロック」とも共通する真鍮製のボディ。

プレッツェル・チェア

(Pretzel Chair)

ジョージ・ネルソンの生誕100周年を記念してヴィトラ(Vitra)社が特別に生産。

オリジナルは1952年にジョージ・ネルソンによってデザインされた。

バブル ランプ(Bubble Lamp)

ジョージ・ネルソンによって、1947年にデザインされた。

1960年代にデザインしたソファ

ジョージ・ネルソンに関する書籍

ジョージ・ネルソン (コンパクト・デザイン・ポートフォリオ)
デザインの諸問題 (1965年)

• 作者: ジョージ・ネルソン

• 出版社/メーカー: 紀伊国屋書店

George Nelson

出版社/メーカー: Vitra Design Museum

George Nelson: The Design of Modern Design


ジョージ・ネルソンに関するサイト

George Nelson USA: Modern Design Archive 簡単には見切れないほど、ジョージ・ネルソンのデザインが満ちあふれています。
ハーマン・ミラー社のサイト ハーマンミラー社の歴史、1940年代から登場します。