イヴ・サン=ローラン
イヴ・サン=ローラン
イヴ・サン=ローラン氏、引退の理由は業界への嫌悪感 (ロイター)
2002年1月10日(木)11時47分
[パリ 9日 ロイター] 7日に引退を表明したフランスの服飾デザイナー、イヴ・サン=ローラン氏は、引退の理由について、ファッション業界が芸術性より商業的に支配されているのに愛想が尽きたため、と述べた。
パリ・マッチ誌が独占インタビューとして掲載した。
また、同氏は、YSLブランドを世界で有数のファッション帝国に育て上げるなど、約半世紀におよぶキャリアで疲れ果ててしまった、と語った。
同氏は、今後新たなキャリアに乗り出す予定はなく、自由な時間を執筆や絵画、旅行に充てたいとしている。
イヴ・サン=ローラン初期の作品「LE JOUR」
長きに渡って、モード界に君臨していたイヴ・サン=ローランが引退しました。理由は?....「芸術性より商業的に支配されているのに愛想が尽きたため」とのこと。彼のようなスーパースターによって、商業性を高めてきた世界だろうに...と考えると、なんとも皮肉な感じがします。
確かに、イヴ・サン=ローランのデザインは、デビュー当時からアート性が強く、赤、黄、緑、青、そしてピンクなどの鮮やかな色の組み合わせや「モンドリアン・ルック」といって画家のモンドリアンからインスピレーションをとったもので、ワンピースに黒い線で四角い仕切りを作り、半分は青やピンクといったカラフルな配色、もう半分は白色で配置されている図柄、また「ポップ・アート・ルック」といって、黒いドレスにピンクのヌードの胴体が大きく跳びはねているという大胆な図柄もあります。こうした初期の作品も、引退記念のショーでは、再演されました。(写真) 今回は、色の魔術師とよばれるイヴ・サン=ローランについてです。 |
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イヴ・サン=ローラン略歴
イヴ・サン=ローラン[Yves Saint-Laurent] 本名:イヴ・マチュー・サン=ローランは、1936年当時フランス領だったアルジェリアのオランで生まれ、両親は回漕業者をしていました。幼時期は、身体が弱かったようです。その心の痛手を、デッサンや油絵の世界に夢中になることで癒していました。この頃、すでに彼は母親や二人の姉妹のためにドレスなどのデッサンをしていました。オラン時代にたまたま両親に連れられてモリエールの「女の学校」を観劇した彼は、クリスチャン・ベラール制作のその舞台装置と衣装に魅了されました。それ以後、彼は自分の部屋で舞台装置や衣装のミニチュアを作って過ごし、自分の世界はこれであると思ったのです。
17歳の時、国際羊毛事務局主催のコンクールに応募し、最優秀賞を獲得します。 その後、1955年初めにイヴ・サン=ローランは、クリスチャン・ディオールに紹介され、その下で働き始めます。しかし、彼のデザインについてディオール社の幹部とは折り合いが悪く、1960年、イヴ・サン=ローランの徴兵を機会に解雇させられてしまいました。彼は、ディオールの下でデザインについて学びましたが、自分の持つデザインの感性をねじ伏せられていたようです。 66年、プレタポルテ”イヴ・サン=ローラン リヴ・ゴーシュ”のブティックをパリ6区に開設。 85年、レジヨン・ドヌール勲章を受勲。 93年、デ・ドール賞を受賞。イヴ・サン=ローラン本人に「私はいつも、ドヌーヴをイメージしてデザインしている」と言わしめるほど、60年代後半まではドヌーヴがマスコット的存在として位置してようです。(上記の引退記念ショーの写真の右はドヌ-ヴです。) イヴ・サン=ローラン社がグッチ社に買収されたのを受け、2001 よりリヴ・ゴーシュのデザイナーにトム・フォードが就任。 (写真は、ロイターとイヴ・サン=ローランのホームページのものです) |
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イヴ・サン=ローランのデザインの特徴
(以下、(株)日本コンサルタントグループ発行「販売員のための商品知識 ファッション編」からの抜粋)
着用したときの陰影をシルキーに出し、自然の光線を巧みに生かしたものや澄んだなかにダークな色調で、かつ女性らしい柔らかさを表現した「フェーム・シック」がきわ立っている。
【特徴】
- カラー・コントラストにより、鋭さと優美さが同居。
- カラー・コーディネイションのバランス。
- トップスとボトムのシルエットのバランス。色づかいの天才といわれ、ラベンダーやグレーの扱い方は群を抜く。
イヴ・サン=ローランの書籍等
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イブ・サンローラン―喝采と孤独の間で | アナ・スイ、プラダなど多くの人々に影響を与え、20世紀モードを創りあげたイヴ・サン=ローランの私生活のすべて。 |
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Yves Saint Laurent”The beginning of a Legend”1936~2000 | イヴ・サン=ローランが作る服は単なるモードではなく、ひとつの世界を表現するカルチャー。サン=ローランの軌跡。 |
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Debut: Yves Saint Laurent 1962 |
イヴ・サン=ローランは、25歳で女性のファッションに革命をもたらした。最初の年の舞台裏、天才の背後のハードワーク。 |
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Eames Design : The Work of the Office of Charles and Ray Eames | イヴ・サン=ローランのプライベート、コレクションまで描かれている。大人になってしまった少年。悲劇的な一面。 |
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イヴ・サンローラン 揺るぎない美 (e-MOOK) | 「イヴ・サンローラン」のブランドのムック本2010年度版。この本のためだけにデザインされた付録付き。 |
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唯一無二の革新的コスメティック イヴ・サンローラン (e-MOOK) | 「イヴ・サンローラン」のコスメティックの豪華な世界が一冊の本に。豪華特別付録付き。 |
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ソフトカバー版 おてんばルル | エロチックで火遊びが好きな女の子、ルル。モードの帝王、ファッション界の巨匠サンローランが残した唯一の絵本。 |
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Yves Saint Laurent: 40 Years of Creation | |
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ポスター ジャンルー シーフ Yves Saint Laurent Paris 1970年 | |
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Yves Saint Laurent: Icons of Fashion Design | |
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Love | Yves Saint Laurent (著) |
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イヴ・サンローラン(DVD) | イヴ・サンローランとの愛をピエール・ベルジェが初めて語ったドキュメンタリー。ふたりが出会ってからの成功、悲しみや苦悩の半世紀が明かされる。ピエール・トレットン (監督) |
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イヴ・サンローラン (M´EMOIRE DE LA MODE) | イヴ・サンローランの作品集。ゴッホやモンドリアンの絵をモチーフにしたものや、舞台衣装として手がけた作品などを収め |
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Yves Saint Laurent Colouring Book | 未発表のデザインが含まれている着色本はイヴ・サンローランの、創造的で革命的な心の中を表わしている。 |
イヴ・サン=ローランのサイト
ここから、引退記念のショーに出展されたイヴ・サン=ローランの作品を初期のものから順に、見ることができます。 | |
ELLEのサン=ローランコーナー | イヴ・サン=ローランの今年の新作等見れます。 |
VOGUEのサン=ローランコーナー | イヴ・サン=ローランの今年の新作等見れます。 |